かじさんのつれづれなるままに

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緑茶

 緑茶  2002 中国
 
中国でお茶というと、小さな器に何杯も何杯も注ぐものを想像していましたが、
これは違いました。
最初に出てきたときは「お冷?」と勘違いしました。
グラスに入った水にしか見えません。
しかしすぐそばに茶葉の入った小皿が置いてありまして、これをグラスに入れます。
すると、お茶の葉がふわーっと広がってたちまち鮮やかな緑色になりました。
この茶葉が入ったままで、茶葉が沈んで落ち着いたところで上澄みから飲むのですね。
あの、鮮やかな緑茶の映像が美しいです。
 
 
タイトルは『緑茶』ですが、別に茶道とかお茶の話ではありませんでした。
お見合いデートばかりしているインテリ女性と遊び人風の男のお話です。
 
この作品は美男が出てきません。
女性はきれいですが。
美男美女のロマンスを期待している人にはお勧めできません。
それからはっきりした結末がないとイヤという人にも勧められません。
結末よりも途中の過程が面白い作品です。
 
主人公の呉芳(うーふぁん)は大学院生で、何度もお見合いを繰り返しています。
お見合いといっても日本式のかしこまったものではありません。
どちらかというと出会い系サイトで知り合った男女が
茶店やレストランでデートする
というような感じです。
どういう紹介システムなのかよく分かりませんが。
 
呉芳のある日のお見合い相手は陳という男性。
お固いインテリの呉芳とは全く別のタイプの遊び人風の男でした。
当然のことながら会話がかみ合わず、お見合いデートはすぐに決裂です。
失礼な発言をする陳に対して呉芳が平手打ちをくらわして去っていくという
結末でした。
ところがデートは失敗したはずなのに、なぜか陳は呉芳のことが気になり、
追いかけまわすことになります。
呉芳はいつになってもそっけない態度を取り続けるのですが、
なぜか陳は会って話がしたいといいます。

そう。

呉芳の話が面白いのです。
 
呉芳は語ります。
私の友人にお茶の葉で占いをする人がいるの・・・。
 
呉芳の語る「友人」の話は聞くものの心を惹きつける不思議なところがありました。
続きが聞きたくなるのです。
陳は続きが聞きたくて仕方がないのです。
それに呉芳の語りを聞いているうちに、語る呉芳の雰囲気にもひきこまれていきます。
 
 
作品の途中で陳が「(呉芳は)よく見ると美人だ」と男友達に語るシーがあります。
 
今頃気がついたのか!!
 
呉芳は美人だと、私は最初から思っていました。
どうして陳は気がつかないのでしょう。
それは多分呉芳の服装やイメージのせいだと思います。
髪はひとつに束ねて、縁の太いメガネにパンツスーツ。
いかにも堅物のインテリ女という外見です。
実際中身もそうですが。
そのとっつきにい外見のせいで呉芳が美人だということに
陳はなかなか気がつかなかったのでしょう。
 
はっ。
 
もしかしてマンガやドラマで「メガネをはずすと実はすごくハンサム」
というパターンがあるけれど、
それってこの呉芳みたいなことなのか!?
いままでは、「そんなわけないだろう」と思っていましたが。
たしかにメガネをかける、かけないで印象はかなり違います。
しかも縁の太いださいメガネだと野暮ったく見えます。
髪型も前髪を垂らしてあるのと、おでこ全開でまとめあげたキャリアウーマン風では
イメージが違います。
「よく見ると美人(ハンサム)」というのは案外本当にあるのかもしれないと
考えてしまったのでした。