かじさんのつれづれなるままに

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きみに読む物語

きみに読む物語

2004年 アメリ

今は認知症となって自分の夫すら分からないアリーに、
夫のノアがある物語を語り聞かせるというお話。
それは二人の恋の物語でありました。

ざっとこんなラブストーリーです。
ノアは田舎の製材所に勤める若者。
アリーは都会の少女で、夏の間だけ田舎に滞在していたのですが、
ノアが一目惚れしました。
最初はノアがかなり強引にアタックするばかりでしたが、
二人は次第に親しくなっていきました。
しかし、二人は身分が違いすぎました。
時給40セントそこらの肉体労働者と良家のお嬢様です。
アリーの両親は身分がつりあわないと言って無理やり二人を引き離しました。
どうせ夏の間だけの恋だと思っていたんですね。
二人は離ればなれになって、月日は過ぎていきました。
ノアと別れた後、アリーにはロンという身分のつりあった男性が現れ、
二人は婚約します。
ところがノアとアリーは再会し、昔の情熱がよみがえるのです。
ロンと婚約しつつも、ノアとの愛を忘れられないアリーは
迷いに迷って・・・・・。

結局はアリーとノアは結婚して、
いまや孫までいる幸せな夫婦として暮らしたわけなんですよ。
ノアが語り聞かせる物語は
「二人は幸せに暮らしましたとさ」で終わっているらしいのですが、
でも、むしろ私は二人が結婚してからの話を知りたかった。

あれだけアリーの両親がノアとの交際に反対したんですよ?
身分違いだからといって。
妨害もしました。
今更「ロンとの婚約を破棄してノアと結婚したい」なんて言ったら
そりゃあ、大嵐になります。
それに結婚してからも大変だと思います。
第一、ノアは何をして生計を立てていたのでしょうか??
いくら愛があって「あなたがいれば幸せ」でも、
今まで何不自由ない暮らしをしてきたアリーが
いきなり質素な生活に耐えられるのであろうか?
ひょっとしてアリーの両親が折れて資金援助をしてくれたとか?
いやいや、あの両親がすんなり折れるとは思えません。
親戚一同だってすんなり結婚を認めてくれたかどうか分かりません。
一体どうやって二人は幸せな結婚生活を送ったのか、
親戚との付き合いのゴタゴタはどうだったのか?
そういうのを乗り越えていかにして二人は幸せに暮らしたのか?
それを知りたかったのですよ。

しかし、親戚付き合いとか、両親とのゴタゴタとか、
そういうのを描くとロマンティックなラブストーリーにならないんでしょうね。
夫婦に倦怠がきたとか、波乱があったとかそういうのを
たらたらと描いても面白くないでしょうし。

一人の人を一生愛し続ける情熱はいかにして保たれるのか?

ナゾです。