かじさんのつれづれなるままに

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ランダムな映画鑑賞~~『ラーゼフォン多元変奏曲』

ラーゼフォン多元変奏曲

03年 日本

SFアニメーション作品です。
シリーズで放映された作品を劇場版として作り直したらしく、
本編を見ていない私にはよくわからない部分が多かったです。
作品紹介を参考にして、私なりに理解したあらすじを書こうとすると・・・

2012年、冬。
東京は突然ドームのようなものに覆われて
外界と遮断されてしまいました。
それは異次元からやってきた「MU」のしわざであり、
MUと、それに対抗する戦略機関との戦いが始まります。
ドームで隔離された東京は、そのまま存在し続けます。
しかし、東京の住人は「外界は滅んでしまい、東京にしか人は住んでいない」と
思い込んでいます。(そういう暗示がかかっているらしい)
そのうえ、東京は外界よりも時間の流れが遅くなっていたのでした。
つまりMUによって東京は別世界のようになってしまったらしいのです。

主人公の綾人と遥は、東京が隔離される直前まで
学生で恋人同士でしたが、ドームの出現で離れ離れになります。

東京時間で3年後、外界から遥が綾人を救い出しにやってきます。
そのとき綾人は17歳なのですが、遥は29歳になっていました。
(東京では3年しかたっていないが、外では15年たっているらしい)

物語はMUと戦略機関(侵略者 vs 防衛軍)との壮絶な戦いとなり、
ラーゼフォンという巨大なメカ???らしきものが出てきて
どんぱち派手に戦うというアニメによくある展開になります。
青い血を持つムーリアン?とか、世界の調律の切り札とか
何やら謎めいた複雑な設定が隠されているらしいのですが、
私にはよく分かりませんでした。
この作品はスケールの大きい設定で、複雑なストーリーなのですが、
主題はどうやら「綾人と遥の愛」のようです。


私にしてみれば、MUとか戦いとかそういう巨大なストーリーはどうでもいいのですが
綾人と遥という、この二人の状況はなかなか興味深いと思いました。
時空がゆがんでしまったせいで、
再会したときは12歳の年齢差が生じてしまった恋人たち。
そうなったとき再び二人は愛し合えるのであろうか???
この二人にどんな感情が起こり、どんな風になっていくのか、
それだけを描くだけでも面白いロマンスになると思います。

離れ離れになったときは14歳で、
二人はそのときの思い出だけでつながっているようなものです。
再会して17歳と29歳の二人がつきあい始めたら、
年齢のギャップでかなりのすれ違いや焦りが生じるのではなかろうか?
17歳の少年から見たら29歳は「おばさん」ではなかろうか?
いや、遥は美人だし、綾人にとっては大切な人だから「おばさん」ではないと思うけれど。

それに、美人の遥が29歳になっても独身というのは、
それでいいのか!?
いくら綾人くんが忘れられないとはいえ、
あれだけ美人ならば恋人候補はたくさんいたに違いありません。
14歳の淡い恋を心にずーっと持ちつづけて独身なんて
ありえるのでしょうか?
そこが「純愛」だからいいのだ、という意見にもなるけれど、
独身でとおすほど初恋は心に残るものなのでしょうか???
思い出は美しいですが、それはそれとして
実際に再会して付き合い始めたらこの二人はどうなるのか、
実に興味深い設定です。

この作品では「君を守るために僕は戦う」とかいう
ありきたりのパターンにはまってしまい、
二人の愛は現実味のないままストーリーが進みます。
そこが私には物足りないです。
こういう年齢差の設定で、二人の心のゆらめきを描くストーリーを
誰か書いてくれないかな。