かじさんのつれづれなるままに

映画や読書 スポーツ(相撲)についてぼちぼち書き込むブログです

ナインス・ゲート

本日も映画の話です。

稀覯本をめぐるお話。

ナインス・ゲート
THE  NINTH GATE  

(99年 スペイン・フランス)      


悪魔について書かれた稀覯本、『第九の門』をめぐる話。
主人公コルソのもとに、ボリス・バルカンが稀覯本の調査を依頼してきます。
彼は悪魔に関する古書ばかりを集めて一大コレクションを築いているのです。
彼が依頼したのは『第九の門』という稀覯本でした。
これは1660年代のもので、著者が異端審問で火あぶりにされたといういわくつきの書で、
現存しているのは世界にたった三冊。彼はそのうちの一冊を所有しています。
バルカン氏が言うには、「本物は一冊しかない」ということで、自分のは本物ではないのだそうです。
残り二冊を見つけ出して、本物を探し出して欲しいというのがコルソへの依頼でした。
もう二冊の持ち主はポルトガルとフランスにいます。
コルソは本物を探すため、アメリカからヨーロッパへ旅立ちます。
ところが、バルカン氏の依頼があってからというものコルソの身に危険が迫り始めます。
『第九の門』に関わった人が死んだり、彼自身も命を狙われたり。
稀覯本探しは危険な命がけの仕事に変わっていきます。
そこに謎の美女が現れて、彼を助けてくれ、
しまいには悪魔を呼び出すうんぬんというオカルトめいた展開になりますが、
前半の古書をめぐるミステリーが面白いです。
 
まず、なぜバルカン氏は、自分の本が偽物と言うのでしょう?
偽物を作るのは難しいです。当時の紙、インク、字体、製本方法、あらゆる点から見て、
複製を作るのは難しく、バルカン氏のものが偽物とは思えません。
古書の専門家に見てもらっても、間違いなく1660年代のものと判定されます。 
コルソは他の二冊も見てみるますが、やはりこちらも偽物ではなさそうです。
このうちの一冊が本物とはどういうことでしょう? 
コルソは丹念に本を見比べてみます。すると面白いことが分かります。 
本の挿絵として使われている版画が、それぞれの本で少しずつ異なっていたのです。
まるで三冊の絵のまちがいさがしのようです。
こういうところは古書マニアでなくてもぞくぞくする面白さがあります。
三冊とも挿絵が微妙に違っているのなら、本物はどれなのでしょう?
古書を調べていくシーンが面白かったです。

それにしても、世の中には古書・稀覯本ばかりを集めるコレクターがいるものですが、
彼らの熱意はすごいですね。

ところで、主人公コルソの職業は何なのでしょう? 
古本ディーラー? そういう職業ってあるの?