かじさんのつれづれなるままに

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美術館の隣の動物園

なんだ、この横柄無礼な男は!?

美術館の隣の動物園 

(98年 韓国)      


主人公 チュニのアパートに、ある日知らない男が訪ねて来ました。
まるで我が家のごとく、その男はずかずかと入ってくるではないですか。
なんだ、この横柄無礼な男は?
男はチョルスといいまして、チュニのアパートの前の住人 タヘの恋人だったらしいです。
だからチュニのアパートは勝手知ったる部屋なのです。
兵役の休暇でチョルスは帰ってきたのに、
恋人のはずのタヘはチョルス何の連絡もせず引っ越ししてしまいました。
チョルスは恋人に振られていたわけですね。
しかし、振られたという事実をチョルスはすぐに受け入れられません。
「タヘに会うまで帰らない!」と宣言し、チュニのアパートに堂々と居座る気でいます。

 ちょっと。
タヘの元恋人かなにか知らないけど、
今の住人 チュニとは何の関係もないことでしょ? 
もうタヘはいなくて、全く他人が住んでいるのだから
「すいません」と謝って立ち去るのが筋というものではないですか? 
それなのに、何なの、その態度は? 
見ず知らずの女性に、なんという口のきき方? 
タヘとは何の関係もないのに、なぜチュニがタヘに電話をかけさせられたり、
勝手にシャワーを使われたりせねばならないの? 
全く無礼な奴だ! ぷんぷん。(立腹)
その上、チュニがひそかに書いているシナリオを勝手に読んだうえに、
「面白くない」とけちをつけ、恋愛経験がないだの何だの失礼なことまで言うではありませんか。
なんて男だ!
 
チョルスはチュニのことを、「女らしくない、ガキ」と面と向かってけなします。
でも、チュニは個性的でかわいい女性だと私は思うなあ。
飾り気がなくて気取っていなくて、そこがいい。
(チョルスに対してだと、気取ったり飾ったりする気にはなれないだろうけれど。) 
料理もできないし、掃除もしない。
家賃は滞納するし、夜更かしして脚本を書いて、朝寝坊。
たしかに女らしくないし、ちょっとだらしない生活かもしれません。 
夢見る乙女で、内気なチュニ。だからいつまでたっても片思いなのです。
でも、チュニはいい人だよ。飾り気がなくて。
なんせ、口の悪い横柄男のチョルスを泊めてあげることにしたんだから。
(彼が家賃を払ってくれたという理由もあるけど。)

チョルスは登場してきたときの横柄ぶりが目立って、
腹立たしい男としか見えなかったけれど、
チュニと共同生活しているうちに、印象が変わってきました。
口は悪いけど、案外ロマンチストなのかもしれないですね。
チュニのことをけなしてばかりいるようだけれど、
彼女のことを気遣っているところもあるようだし。
文句を言いつつ、口げんかをしつつ、シナリオを共同執筆しながら、
二人は少しずつ好意を持ち始めていきます。
この二人、性格が違いすぎると最初は思っていたけれど、
案外似たもの同士だったりして。
言いたい放題なのが、かえってよかったのかもしれません。
最初はどう見ても、恋に落ちそうになかった二人なんですが・・・。
ラストも良かったです。