かじさんのつれづれなるままに

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ココシリ

ココシリ
2004年 中国


ココシリ
中国最後のこの未開の荒野は
チベットカモシカの生息地
1985年 毛皮用の乱獲が始まり
各国で高値で取り引された
数年でカモシカは100万頭から1万頭以下に

1993年
私設パトロール隊が結成
隊長は元軍人のリータイ
彼らと密猟者の戦いは世間をにぎわせた

(映画『ココシリ』より)

密猟者に殺されたチベットカモシカの死体が大地に転がっているのを、
私設パトロール隊が無言で見つめるシーンがあります。
その死体の数は10や20ではありません。
400頭以上。その死体をハゲタカ(?)がさかんにつつき、
もはや骨が残るのみです。

どうしてこんなに限度を知らずに乱獲をするのでしょう?
いずれ絶滅するのは明らかです。
そんなことも密猟者は分からないのでしょうか?
カモシカの大量の死体を見て憤りを感じます。
・・・いや、密猟者にはカモシカが絶滅しようがどうでもいいのでしょう。
でも毛皮が取れなくなれば、収入源がなくなります。
密猟者は自ら首をしめていることになるのでは?
・・・いや、密猟者はそんなことはどうだっていいのでしょう。
稼げるだけ稼いで、カモシカがいなくなれば
金になる何か別の動物を密猟することでしょう。
密猟者のいい分を聞いてみたいものです。
どうしてこんなに分別のないことをするのかと。

私設パトロール隊は密猟団の仲間を捕らえます。
しかし彼らは下っ端でした。
そこら辺にいるいなかのおじさんたちという感じです。
極悪密猟者という感じではありません。
(顔の印象で判断するのはよくないけれど・・・)
常習犯ザンリンはカモシカの皮をはぐ役目です。
1頭あたり5元。
もとは放牧をしていましたが、砂漠化で放牧ができなくなりました。
生活に困ってやむなく密猟者に雇われて仕事をしているのでしょう。
密猟者の中にはそういう事情の人もいます。
でも、ただ単に金のためにやっている者もいるでしょう。
なんにせよ、パトロール隊は密猟者をほおっておくわけにはいきません。

それにしてもパトロール隊の現状は厳しいものでした。
私設ですから政府からの援助はありません。
資金は自分たちが出していますが、もう底をついています。
隊員たちはただ働きです。
人手も武器も食料も不足しています。
密猟者を追って厳しい荒野を駆けるうちに、
車の燃料は不足し、または車が故障し、
3台から2台、2台から1台へ、車も人も減って行きます。
厳しい自然と食料の不足、密猟者からの狙撃。
困難な状況で、それでもパトロール隊は
密猟者を追い続けるのです。
どうしてそこまでして・・・・??

あんなに命がけで追跡して、その結末がこれなんですか・・・?


現在ココシリは保護区に認定され、チベットカモシカの数も
3万頭ほどに回復しているそうです。
最後に出てくるこの字幕を読んで、少しは救われた気持ちになります。
しかし、リータイ隊長以下、隊員たちの無償の働きぶりを思うと、
さぞ無念だっただろうと思います。

隊員の一人が砂に埋もれていくシーンがあったのですが、
あれは怖かった・・・。