かじさんのつれづれなるままに

映画や読書 スポーツ(相撲)についてぼちぼち書き込むブログです

バッファロー ’66

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『美術館の隣の動物園』に出てきた青年チョルスを見たときに、
「なんて横柄な男!」
と腹が立ちましたが、それと同じくらい見ていて腹が立ったのが

バッファロー ’66』
98年 アメリ
の主人公ビリー・ブラウンでした。

ビリーは刑務所を出所したばかりで、
これから実家に帰るというところから話は始まります。
ところで、ビリーは刑務所に入る前に両親に大ウソをつきました。
俺は政府の仕事で女房と一緒に遠くへ行く、とかなんとか。
実家に帰るとなると「女房」を連れて帰らなくてはなりません。
それで、見ず知らずの女性を無理やりさらってくるのです。

その成り行きに腹が立って、目が離せませんでした。
実家に電話をかける25セントも持っていなくて、見ず知らずの女性 レイラに
借りるのですが、お金を借りたお礼を言うどころかレイラを拉致して
「一緒に実家に行って妻のふりをしろ」と頭ごなしに命令します。
車だって彼女ので、運転するのも彼女ですよ。
普通は丁寧に頼むものでしょう??
何様よ、あんた、と言いたくなります。
わけもわからないし、男の言動は横暴で威圧的です。
出だしからかなり腹を立ててしまいました。

物語の大半は、「なんじゃ、この男は!?」と腹を立ててばかりでした。
しかもビリーの実家の両親もなんだか変です。
両親との間に漂うぎこちない空気・・・。
ビリーがチョコアレルギーなのに、
母はそれを忘れてチョコドーナツを食べろというし、
父とは「ナイフをこっちに向けた、向けてない」で食事の時に口論になります。
レイラが話をしていても、母はテレビのアメフトに夢中で
話をほとんど聞いていません。(失礼な人・・・)
ビリーは家族に愛されているのでしょうか????
どうしてビリーが律儀にもわざわざ実家に帰るのか
私には分かりません。

こんな家にいきなり連れてこられて
妻のふりをしろと言われたら、嫌です 私は。
ビリーの一方的高圧的態度も嫌だし、
息子を愛していないようなぎこちない空気の流れる家族も嫌です。

それなのにどうしてレイラは嫌と言わずに黙って従っているのでしょう?
そこが最大の謎であり、この作品の魅力かもしれません。
不思議な女性です、レイラは。