かじさんのつれづれなるままに

映画や読書 スポーツ(相撲)についてぼちぼち書き込むブログです

豊かな空間

久しぶりに直島を訪れました。
平日だったので恐怖の大混雑もなく、ゆっくりと見て回れました。
いままで何度か直島に来ているけれど、
今回は初めてリ・ウファン美術館に行きました。

ベネッセのホームページで美術館の説明は読んでいましたが、
展示物についてはほとんど写真がないので
たぶん「なにコレ?」という作品の連発だろうと予想していました。

はたして、その通り。

これをホームページに写真で載せたら
「これだけ・・・?」
で終わってしまうでしょう。
石!
鉄板!!
柱!!
といった彫刻群。
(彫刻???? 置いただけでは・・・?)
絵画も抽象画なので現代美術が苦手な人にはお勧めできません。
(「点より」はシンプルな模様で好きです。)
ここは空間を感じる美術館なのです。

美術館に着いて最初に目に入るのは
屋外に展示された「柱の広場」です。

広々とした空間にそびえたつ柱。
石と鉄板。

高い壁が左右にそびえる細く長い通路を歩いていくと
頭上に天井はなく、青い空へと空間が開けています。
ウグイスの鳴き声が時折聞こえてきます。
美術館を取り囲む直島の山や木々を感じることができます。
 
設計は安藤忠雄氏。
 
中に入ってもやはり
石!
鉄板!

という展示でした。
空間の中に石。
あまりにも何もなさすぎて、
しんとして
心がからっぽになりそうです。
「瞑想の間」は本当に瞑想ができる空間かもしれません。
 
瞑想といえば「家プロジェクト」の
南寺」。
 
今回で3度目なので何があるのかは分かっていましたが、
最近視力は落ちているし、疲れているし、
ひょっとして何も見えないのでは??と不安でした。
真っ暗で物音ひとつしない空間の中にじっと座って、
周りの気配と前方に感覚を集中します。
屋外の鳥のさえずりが聞こえる他には
室内に何の変化もありません。
数人が同時にこの中に入っているのに
ほかの人の気配も分かりません。
みんな感覚を研ぎ澄まして息を殺しているようです。
これほど感覚を集中させることなど日常生活ではまずないと思います。
家プロジェクトはどれも空間を味わい体験する作品ばかりです。