かじさんのつれづれなるままに

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ラブ・アンド・デス

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ラブ・アンド・デス
LOVE AND DEATH ON LONGISLAND

97年 イギリス

 恋の力は偉大なり。

主人公はイギリスの著名な作家で、堅物のデアス氏。
自宅にテレビもなく、映画も見ない。
文明利器とは無縁で、使おうともしません。
当然ワープロもパソコンもありません。
原稿は手書きです。
新しいことなんか嫌いで、旅行もいや。
保守的な古いタイプの人間です。
そんな彼が、映画に出ているアイドルの俳優にひと目惚れしました。

そもそも映画なんて見たこともなく、見る気もなかったのですが、
たまたま雨宿りのついでに入ったシアターで見たのでした。
文芸作品を見ようと思ったのに、間違えて同時上映の『ホットパンツ大学2』を見てしまいます。
どーしようもなくおバカな低俗学園ものでした。
どーしようもなくアホらしいので、席を立って出ようとした時です。
その時、スクリーンに映し出された一人の青年の姿にくぎ付けになります。
それも、どーしようもなくおバカなシーンなんですが・・・・。
それ以来、デアス氏は彼の姿が忘れられません。
何かにつけて思い出します。
そして再び映画館に足を運び、
恥ずかしながらおバカな学園映画をまじめに見つめるのでありました。

それから、かの俳優 ロニー君 の載っている雑誌を買うのに挑戦します。
特集記事かあると知れば、ティーンの女の子向け雑誌だって買います。
さすがに恥ずかしいので、他の雑誌と一緒に買ってカムフラージュしましたが。
雑誌からロニー君の写真を切り取り、スクラップブックを作ります。
ロニー君の身長だって、体重だって、好物だって、雑誌を読んで全部知っています。
さらに、ロニー君の出演した映画を見たいので
ビデオデッキを買いました。
しかし、その前にテレビを買うのが先だと思いますが。
レンタルビデオの会員にもなりました!
ビデオを借りてきて念願のロニー君のビデオを借りました。
恥ずかしいので、家政婦さんはさっさと帰らせます。
いとしのロニー君のビデオを一人でゆっくり見ます。
宅配ピザというものも食べてみました。
あの堅物の作家が、ここまでするとは!

若者にとっては、映画に行くのもビデオをレンタルするのも何でもないことです。
しかし、デアス氏のように、保守的でもうすでにライフスタイルの決まっている初老の男性が、
今更テレビだのビデオだのを購入して見るというのは難しいことです。
テレビを買って、レンタルビデオで低俗コメディを借りて見るなんてことは、
清水の舞台から飛び降りるほどに大変なことに違いありません。
友人知人が「映画を見てみたら」と勧めたくらいでは
聞き入れるようなデアス氏ではありませんでした。
しかし、ロニー君のとりこになってからは、
デアス氏は未知なる世界にどんどん入っていきます。
これは、すごいことです。

変化するのは難しいことです。しかし、恋が彼を変えました。

恋は偉大だ・・・。

そして、旅行嫌いだったデアス氏は、
ロニー君に会うためについにアメリカへと旅立つのでした。
デアス氏の想いはどうなるのか? 
舞台はアメリカへ。



それにしても、あんなに長~~いFAXがきたら
たいそう困ると思います。