かじさんのつれづれなるままに

映画や読書 スポーツ(相撲)についてぼちぼち書き込むブログです

芹沢 鴨

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2003年に大河ドラマ新選組!』が放映されました。
そのときの感想をHPに書こうとして、書きそびれました。
この正月に、続編の『土方歳三 最期の一日』が放送されたので、
今更なんですが、書きます。

今まで新選組芹沢鴨といえば、
酒飲みで暴れ者でどうしようもない厄介者のように描かれることが多かったと思います。
でも、三谷氏脚本の『新選組!』の芹沢鴨はちょっと違いました。
単なる暴れ者ではなかったのです。
もちろん暴れたし、酒を飲んで厄介なことは起こすし、
商人から金を巻き上げて、したい放題でしたが。 

しかし、芹沢鴨は、もしかするとすごい奴になれたかもしれないのではなかろうか? 
若い頃はそれなりに志もあったでしょう。 
近藤勇に出会うまでに、彼がどんな人生を送ってきたのか私はよく知りません。
知らないので全くの憶測で考えます。
以下、憶測。




芹沢はどこかで大きく挫折したのではなかろうか? 
それで、屈折してひねくれたのである。 
もともとは何かしら志を持っていたし、物事を考える頭もある。
しかしいかんせん、世をすねてしまったのだ。 
すねてしまった芹沢から見ると、真っ正直な近藤はどうも苦手である。 
いまだに汚れていない真っ直ぐな瞳を持つ沖田総司を見ると、
ぐちゃぐちゃにしたろかと思う。(大阪弁は使わないだろうが。) 
近藤勇のことを虫が好かない、いけすかないと思いつつも、
心のどこかでは、すごい奴だと思うときもある。 
でも見ていると腹が立つ。 
それは自分が失った真っ直ぐなところを、近藤勇が持っているから、
それが気に食わないのではなかろうか? 
芹沢自身も、こんなひねくれちまった自分に嫌気がさしているのだ。
でも、いまさらどうしようもない。 それでますます自暴自棄になる。 
近藤のことがいけすかない、憎たらしいと思うのは、同時に自己嫌悪でもあるのだ。 
自暴自棄に陥った芹沢は、もう救いようがなかった。 
近藤に斬られるのも、覚悟の上だったように思う。 
でも大人しく斬られてやらねえぞとばかり、最期までふてぶてしい。 
斬れるもんなら、斬ってみな、という挑発的態度の奥の奥に、
近藤、俺を斬ってその先へ行けという心境も、
ひょっとしたらほんの少しはあったかもしれない。



以上、全くの憶測です。
芹沢鴨という奴は、単なる大酒呑みの暴れ者ではない、
屈折して何かを抱えた男として描かれたように思いました。 
大変見ごたえのある「芹沢 鴨」でした。