かじさんのつれづれなるままに

映画や読書 スポーツ(相撲)についてぼちぼち書き込むブログです

空気人形

「空気人形」(2009年)

是枝裕和監督の作品なんですが、
今まで見たのとちょっと作風が違いました。
リアリティーよりファンタジーという感じでしょうか

そしてモヤモヤが残る作品でした。
 
主人公の男性、秀雄は空気人形の「のぞみちゃん」と暮らしています。
のぞみちゃんはさみしい?男性の夜のお供用に作られたビニールの人形です。
(注意!R15+指定作品)
秀雄はのぞみちゃんに服を着せて
一緒に食卓でご飯を食べたりする
毎日を過ごしていました。
そんなのぞみちゃんはいつしか心を持つようになりました。

秀雄が出勤した後、彼女は服を着替えて(メイド服:秀雄の趣味)
外に出ました。
初めて見るものばかりです。

のぞみちゃんの動きは変で、
(まだうまく動けないらしい)
こんなメイド服で歩いている娘がいたら
注目されそうなんですが、
あまり誰も気にしていません。
そして彼女はレンタルビデオ店に入り、
なぜかそこでバイトをすることになります。
なんというか、リアリティーがありません。
是枝監督の作品なのに。
 
まず、人形が人間化して動いているのに
その変化に主人公が気がついていない?
映像では、ビニール人形だったのが
生身の人間に変わって人形を演じる、
という演出に変わります。
とすると、仕事から帰って来た秀雄は
人間になっているのぞみちゃんを見て驚くはず。
「あれ?ビニール人形なのに生身の人間みたいになってる!」
という反応になるはず。
しかし帰宅した秀雄は彼女を見てもなにも驚かず、
いつも通り人形として女を扱います。
???
秀雄には彼女はビニール人形に見えているという
設定なのか?
明らかに人間が演じているのに?
肌も髪の毛もリアルな人間のものですよ?
びっくりしないほうがおかしいです。
町の人が彼女を見てもなにも驚かないところをみると、
彼女は人間の姿に見えているという設定です。
(ビニール人形が歩いてたら大騒ぎです。)
なのに秀雄は「人形が人間になった」ことに
疑問を感じないまま話は進んでいきます。
一体どういうことなのかそこが気になって、
モヤモヤしたまま見終えました。
 
これが舞台演劇ならば、
人間が人形を演じるという演出でも
不思議はないのですが。
 
それから、のぞみちゃんはなぜレンタルビデオ店で働くことになったのでしょうか?
のぞみちゃんはまだ動作も言葉もぎこちないです。
バイトするのに履歴書は提出しなかったのでしょうか?
そもそものぞみちゃんは文字を書けるのでしょうか?
何も知らない、おかしな行動をする女の子
という風に見られないのでしょうか?
いろいろなことが気になります。
どういう設定なのでしょう。
リアリティー追求せずに
ファンタジーとして見るべきなんですか?
しかしいつも細部にリアリティのある作品を
作る是枝監督にしては、
この曖昧な設定は疑問が残ります。
 
そして、ラストはけっこう
スプラッタ
ですよ?